2014大相撲秋場所観戦記「幕下上位五番が面白い!」
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大相撲は夕方にやっているもの、と思ってらっしゃる方もいるかと存じますが、それはテレビ中継の時間帯がそうだというだけ。
国技館では朝からずっとやってます。
横綱、大関のメジャーな取組はもちろん面白いのですが、番付が下の力士同士の取組にはまた別種のお楽しみがあります。
技はまだ未熟だけど気合いだけは充分だったり、純粋な力比べ、意地比べだったり。
なかでも、全取組の中で、わたしが一番好きなのは「幕下上位五番」です。
これから十両に上がるぞ!という若手と、十両から下がったけど、すぐに戻るぞ!と意気込むベテランが入り乱れる、戦場です。
どうして、幕下上位の土俵はひときわ熱いのか?
十両と幕下は番付はたった一枚の違いですが、実は待遇は天と地の差。
・ 基本的に無給から、いきなり月給100万越え
・ 付け人がつく
・ 大部屋から自由な個室へ
・ 髪型はシンプルなマゲから立派な大銀杏に
・ 締め込み(本場所で締める)は木綿から絹に、稽古まわし(稽古場で締める)は
・ 華やかな化粧まわしを締めて土俵入りができる
まだまだ、ありますが、ざっと挙げても、これだけの違いが。
「十両に上がったときが一番、嬉しかった」と振り返る関取(十両以上が関取と呼ばれます)が多いのも納得です。
今場所の幕下上位は関取未経験の力士が多く「絶対に関取に上がるぞ~!!!」オーラが充満しています。
ただでさえ、白熱する幕下上位五番戦なのに、火に油な状態

ファンとしては嬉しい限り。
中でも、わたしが注目しているのは、この若手3人。
幕下東二枚目・出羽疾風(でわはやて)、東三枚目・琴恵光(ことえこう)、西三枚目・達(たつ)です。
出羽疾風と琴恵光は小柄で筋肉質タイプ、達は長身のソップ型でタイプは違いますが、3人とも中卒で入門してくれた叩き上げの日本生まれ。
達は入門時から、他のふたりも序二段あたりのころから応援しています。
達は中学横綱で、普通、そういう相撲エリートな方は相撲の名門高校、大学と進むものですが、進学せずに大相撲に入ってくれました!ありがとう!
期待通り、幕下まではとんとん拍子で出世したものの、しばらく停滞してましたが・・・ここのところ、ハッキリと力をつけました、ね!
立ち腰が指摘されがちでしたが、今場所は膝がよく曲がっていい前傾姿勢がとれています。
琴恵光はイケメン番付の方では、とっくに上位進出をはたしていまして、すでに・・・え?お呼びでない・・・。
キレのよい動きが身上ですが、押す力もだいぶついてきました。
気持ちの強さが相撲っぷりによく出ていて清々しい力士です。
幕下力士も十両下位と取組が組まれることがあります。
その場合はまわしはそのままですが髪型は大銀杏を結います。
今場所は3人とも初の十両戦が組まれ、大銀杏姿を見ることができました。

↑ 昨年の5月場所、入り待ちで撮影した出羽疾風さん
最初に登場したのは出羽疾風。
ワタクシ、出羽疾風の初の大銀杏姿を見ただけで涙が・・・。
こんなに細くて小さい子が、ここまでくるにはどれだけの苦労があったことか。
最近、力士を見る目が、すっかり「おかあさん目線」でいけませんわ。
3人とも、大銀杏がとても似合っていました。
十両力士として毎日、大銀杏を結う日も遠くない・・・と断言!したいところですが、幕下上位まで何度も進みながら一度も十両になれず涙を飲んだ力士もたくさん知っています。
実力は充分でも、ここ一番の重要な取組に緊張で身体が動かなくなる力士もいますし。
たまたま落ちる方がいなかったり、番付運もあったりして。
勝負の世界は、まことに厳しいのです。
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