この後におよんで・・・「2014フィギュアスケート世界選手権 観戦記」男子シングル編
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女子シングル編に「追記」するつもりでしたが、長文すぎる ので別記事にしました。
ご了承ください。
「2014 フィギュアスケート世界選手権 観戦記
― ソチ・オリンピックシーズンを振り返って」
☆ 男子シングル 編
最終順位と採点表等、詳細は⇒こちらをご覧ください

ゆづ選手、世界選手権初優勝です。おめでとうございます!
今大会はパトちゃん(パトリック・チャン選手)、テンくん(デニス・テン選手)のソチ・メダル組と高橋大輔選手が欠場となりました。
優勝して当然という雰囲気のなか、プレッシャーはかなりキツかったであろうと思います。
オリンピックでは人類初の100点越えを記録した、得意のショートでまさかの4回転T転倒。
それでも90点を超える点数が出て3位にとどまったのは、さすがオリンピックチャンピオンの実力。
そして、フリーは・・・。
試合ではなかなか成功していなかった冒頭の4回転Sを「気合いで」ふんばりました!
きれいなスピンと情熱あふれるステップに魅了されます。
いつも美しく決まる後半のトリプルアクセルコンビネーションの連続が少々歪んだのでヒヤッとしましたが、大崩れはせず。多少、ゆ疲れ

エキシビジョンで2シーズン前の「ロミ・ジュリ」プログラムを披露してくれたのは嬉しかった!
17歳で表彰台に上り、飛躍のきっかけになった2012世界選手権の感激を思い出しました。
振り付けも衣装も、個人的には、このときの方が好きだったりします。
これで、今シーズンはグランプリ・ファイナル、オリンピック、世界選手権を制し、3冠を達成!
あの!ヤグディン以来だそう。もはや歴史に残る名選手と言えるのでは?
この文章を書いている今、オリンピックが終わって3カ月、世界選手権が終わって2カ月弱が経過しています。
この間の「ゆづフィーバー」(フィーバーって、もしかして死語?)は凄かったですね。
9万2千人が集まったという仙台でのパレード、園遊会出席、叙勲と、話題に事欠かない3カ月でした。
つい3カ月ほど前まではフィギュアファン周辺のみぞ知る存在だったのに、すっかり国民的人気者に。
「ゆづ」という呼び名も定着しましたね。使用例;「生ゆづ見ちゃった♪」
来シーズン以降も男子フィギュアはゆづ選手中心に回っていくことは必定。
新しい4回転ジャンプに挑戦している、という報道もあって期待が高まります。
あ、もう、ビールマンスピンはしなくてもよいのでは?
椎間板ヘルニア持ちで腰痛に苦しむ夫を見ていると、ゆづ選手の将来が心配になります。
そりゃ、見たいけど。でも、もう、いいんじゃないかな~?

* 以下、敬意を込めて「まっちー」と表記させていただきます!
3/7のブログで、わたくし「まっちーはメダルのチャンスではないか」と記述しました。
たいへん失礼いたしました。おのれの不明を恥じています。
メダルのチャンスなんてことではなく、金メダルのチャンスだったのでした。
ショートは「素晴らしい」の一言でした!
オリンピックでミスした悔しさをきっちり倍返し!(もう古い?)
リベンジなりました~。
あの緊張する場面で最高のパフォーマンス・・・強くなりましたねえ、まっちーは(感慨)。
演技を終えたあともドラマティックでしたね。
素晴らしい演技に沸き立つ客席と、氷の上で冷静に自らの演技を締めくくるまっちー、と。
世界観に入り込んで、なかなか現実世界へ帰ってこないまっちー。カムバーック!!!
後々まで語り草になりそうなシーンでしたね。
フリーも大きなミスなくまとめました。
数年前まで、ひとつのミスを引きずって崩れることが多かったのにね。
優勝してもまったくおかしくない、堂々たる演技でした。
ショートもフリーもこれまでのスコアを大幅に越える自己ベストをマーク!
鈴木明子選手もそうでしたが、グンと伸びる時期って人それぞれ違うものなのですね~。
あきらめずに重ねてきた努力が実る・・・こういう清々しいシーンを目にすることができて嬉しい限りです。
最終結果が出たとき、てっきり、ゆづ選手に逆転されたのは「演技構成点」の差だろう、と思いました。
ところが!詳しい採点を見てみると「演技構成点」にそんなに差はついていません。
そう、まっちーの「演技構成点」は、もうゆづ選手に負けないほど高いのです。
つまり、まっちーは完全に世界トップクラスの選手として認識された、ということです。
これは、来季以降、まっちーが戦う上で大きな財産になりますね!
ただし、さらに上を目指すには高いハードルが立ちふさがっているように思えます。
・・・今回、ゆづ選手に逆転された原因は、ほぼ技術点の差だったんです。
パッと見、ふたりのフリー演技の技術点にそこまでの差があったようには思えないのですが・・・。
ゆづ選手 4回転は2種類を計2回
トリプルアクセルは2つとも後半で高難度のコンビネーション
まっちー 4回転は1種類を計2回
後半のトリプルアクセルは単独
詳しく見てみると、かなり構成に違いがあることがわかります。
まっちーが技術点でゆづ選手を抜くには
① 違う種類の4回転をマスターする(同じ種類の4回転を3回することはできないので)
② 得点が高くなる後半に難しいジャンプを集める
どちらかしかないのですが・・・。
言うのは簡単ですけれど、それはそれは相当に厳しい!
でも、まっちーなら・・・不可能を可能にしてきた男、まっちーなら。
何とかなるかも?しれませんよ!
ここで、まっちー回顧録
わたしが初めてまっちーの演技を見たのは2006全日本選手権(フリー)でした。
同年の全日本ジュニア選手権で優勝し、出場権を得て初出場したまっちー。
当時は16歳の高校生。まだ、お肌もツルピカだったな~。
かわいかったです。確か「フィギュア界のタッキー」と呼ばれていたような。
初出場ながらショートは7位という好成績!
本人も「よし!フリーもやったるっ!」と内心、思っていたのでしょう。
自信満々、不敵な表情で登場したまっちー(当時からそうだったんです~)。
ところが!
ジャンプがほとんど決まらず、うち2回も転倒してしまいました。
途中でプログラムを忘れてしまい?(解説の本田武史さんがそう言ってました)演技が中断してしまうハプニングも。
後半は疲れ果てて、ヘロヘロに。ホント、止まりそうでした・・・。
フリーは14位に沈み、総合13位という散々な結果。
演技前とはうって変わったキスクラでのしょんぼり・まっちーをよく覚えています。
それからの、まっちー。
全日本に出場し、最終組には入るも、それ以上の結果はなかなか・・・。
有力選手がひしめく日本男子フィギュア界で、メジャーな国際大会への出場権を得るのも難しい状況が続きました。
現状を打ち破って伸びるのは難しいだろうな~、多くの選手がそうするように大学卒業と同時に引退かな?と内心、思っていました(ごめん、まっちー)。
ところがどっこい、ここ2年ほどの大活躍はみなさまご存知の通り。
何がまっちーを変えたんでしょう?哲学?読書?timshel?河口における汽水域(の様な…)?
今後のまっちーを、さらなる期待をもって見守ることにしましょう!

ショートは完璧と言ってよい演技、フリーも出だしは順調で「これは~!ついにナンデス選手、覚醒か!」と思いましたが、やっぱりルッツで・・・。
ルッツジャンプがどうにも苦手なんです(ナンデス・・・)よね~。
でも、スピンやステップは、年々、確実にレベルアップしてきています。
昨年に続いて2年連続、世界選手権の表彰台に上がったのは実力の証左!
シーズン前半、グランプリシリーズでの調子は今一つのようでしたが、いい形でシーズンを締めくくりました。
シーズンを通しての戦い方も心得ている感じ。
コミカルな曲や映画のヒーローものを演じることが多いナンデス選手ですが、今後はさらに多彩な表現に挑戦してほしいな~、と思います。きっと、できる子、です。
本場スペインのフラメンコ・プログラムが出るのはいつかな~?
とっておき!だから、まだまだ、温存するのかな?
4位のマキシム・コフトン選手(ロシア)はフリーで粘ってショート7位から盛り返しました。
4回転ジャンプにばかり注目してしまいがちなコフトン選手ですが、スピンやステップもどんどん上手になってます。
ちょっとロシア伝統の王子っぽい気品が漂ってきたような・・・?
ロシアの国内選手権で優勝したと聞いたときは「コフトン選手がソチ・オリンピックに出るんだろうな」と思ったんですが、フタを開ければ、やっぱりプル皇帝という結果。そして、団体戦はあんな結果で、男子シングルはそんな結果。
ソチ・オリンピックの間も頑張って練習していたんでしょうか、コフトン選手。け・な・げ。
来期以降のロシア男子を引っ張っていく、ゆづ世代のひとりとして期待大ですね~。
この大会を最後に引退を表明している、5位のジェレミー・アボット選手(アメリカ)と、10位のトマシュ・ベルネル選手(チェコ)長い間、お疲れさまでした

ふたりとも魅せるプログラムを演じることができる貴重な選手でした。
オリンピックのフリーで感動的な名演技を披露したアボット選手、今回も素晴らしかったです!
ショート8位から5位まで順位を押し上げました。
フィギュアの神様、ありがとう!最後にアボットに4回転成功をプレゼントしてくれて!
ベルネル選手は逆にショートが真骨頂でしたね。
最盛期のベルネル選手を思わせるキレのあるジャンプが揃い、もうひっさしぶりにノーミス演技。
テレビの前で大喝采しました!
まあ、フリーはね。いつものベルネル選手に戻ってしまいましたけどね。勇名トラ。
最後に輝く姿が見られてよかったです。
6位の小塚崇彦選手(ジャパン)も頑張りました!
やはり、滑りのうまさは最高級です!見ていると心がすすがれて行くような清々しさ。
現役を続ける、とのことなので、日本男子の長男格として活躍してください!
下位グループも見どころ満載、オリンピックと世界選手権のお楽しみ♪次世代を担う、これからの注目選手を発掘~!・・・したかったのに、放送が少なすぎて全然、収穫がありませんでした。
せっかくの日本開催の世界選手権なのに~

特に、韓国とイスラエルの選手の演技、見たかったです~。
ところで、わたしの贔屓筋のひとり、ミハルくん(チェコのミハル・ブレジナ選手)はどうしたんだろう?
ここのところ、らしくない演技が続いていますが・・・。
フリーは棄権してしまったんですねえ。
状況はわかりませんが、また頑張ってください!
オリンピックが終わり、男子シングルもだいぶ顔ぶれが入れ替わるようです。
お馴染みの顔がリンクから姿を消すのは寂しいですが、これも世のならい。
それにしても、男子は厳しい時代になりました。
もはや、4回転を跳ぶのか、どうか?の時代ではありません。
4回転を跳ぶのは当たり前、何回跳ぶのか?何種類跳ぶのか?の時代なのですね。
4回転アクセルが見られるようになるのも近いのかも~?
長々と失礼いたしました。
フィギュアって本当に楽しいですね♪
来季以降もたくさんの素晴らしい演技を観戦できますよう、祈りをささげて終わりにします。
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